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76話

唐浅は薬の効き目なのか、それとも墨無痕が彼女を弄んでいるのか分からなかった。

この数日間、彼女が墨無痕の内息を調整してから、皇子は相変わらず彼女を抱きしめ、熱気に侵食される苦痛を和らげていた。しかし墨無痕はどんどん度を越してきて、もはや彼女の肩に寄りかかるだけでなく、手が落ち着かずあちこち触り回り、昨夜に至っては彼女の肩を噛みさえしたのだ。

霍一連御医は確かに治療の中期には、墨無痕が熱気に意識を飲み込まれる可能性があると言っていた。さらに唐浅に対して、もし本当に制御できない時には皇子を気絶させるようにとまで言い含めていた。

そういう状態なら墨無痕はすでに意識がないのだから、彼女が気絶させ...