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66話

墨無痕にそう言われて、唐浅は自分が越えてしまったと感じた。そこで話題を変え、「こんな早い時間に、殿下を訪ねる朝臣がいらっしゃったのですか?」

言ってから、唐浅は自分の質問が不適切だと気づいた。

今や天子は皇太子の立太子を急いでおり、それは目前に迫っていた。各皇子が自分の将来のために朝臣たちの間で活動するのは当然のことだ。彼女は墨無痕に忠誠を誓い、信頼していたが、墨無痕は彼女の主であり、彼女を信頼する義務はなかった。

唐浅は君臣の境界線をよく理解していた。

しかし墨無痕は唐浅のような心配をしていないようで、自分に水を一杯注ぎながら言った。「梅亦瑾のことか?最近は確かに親しくしているな。だ...