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65話

「話しているのは、晴れ着の安和帝姫です。宝石をあしらった衣装に身を包み、美しい濃い化粧を施した姫君は、威厳と気品に満ちていました。その姿と比べると、鎮陵王妃はいかにも粗野な育ちに見えます。

皆の目に映るのは、かつて安和帝姫を深く愛していた雲霆が、どうして山里育ちの娘を妻に迎えることに甘んじたのか、という疑問でした。

そして今、安和帝姫が進んで酒を勧めているにもかかわらず、少しの不満も見せていないのです。

雲霆も立ち上がって礼を返しましたが、その声は平静で、宮中の儀礼的な社交辞令に過ぎませんでした。「姫君のお言葉、過分です」と言って、一気に飲み干します。

しかし安和帝姫はさらに言葉を続け...