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63話

「本官も長寧候に無駄な争いはやめるよう忠告する」薛若明は羽林衛に攻撃の準備を指示した。「さもなくば、本官も同僚の情を捨てざるを得なくなる」

「よかろう」唐浅は妥協したかのように言った。「本候は潔白であり、もし薛大人がどうしても長寧候府を捜索したいというのなら、本候は止めはしない。唐谚、お前の気持ちには感謝するが、この件には関わるな」

「でも唐谦、これは明らかに無礼すぎる!」

長寧候は階下の人々を見下ろし、表情は穏やかだが、その眼には笑みの欠片もなかった。「諸君が入れるものなら、試してみるがいい」

唐浅は長寧候府の守衛に道を開けるよう合図した。

羽林衛は最初戸惑いを見せたが、薛若明の指...