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46話

「私は彼女に……もう諦めているのだが、唐謙よ、私が怒っているのは彼女の心変わりだけじゃないのだ」雲霆は目の前にいる少し迷いを帯びた少年の瞳を見つめながら、そう言った。

雲霆はふと溜息をついた。「お前には理解できないだろうな、唐謙」

少年の目は、澄んだ水のように清らかで、一目見れば見透かせるほど、権力争いの汚れに染まった様子は微塵もなかった。

だからこそ少年には分からないのだろう。

「雲兄?」

「いや、何でもない。いつか、お前自身が理解する日が来るさ」雲霆は首を振った。「私は行くつもりだ」

「雲兄は桐城を離れるのですか?」

「桐城を離れるのではなく、この朝廷を離れるのだ」雲霆は言った。「すでに兵...