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42話

「薛大人の昇進を祝うことができず、申し訳ありません。近頃、本侯は当直で疲労困憊しておりまして、どうかご容赦願います」唐浅は無表情のまま挨拶を交わした。薛若晔は北境にいた時は天子の監軍で、彼女のような末等の軍侯よりわずかに低い官位だった。今や朝廷に戻り昇進し、唐浅と同格になっていた。

いくら時間を費やしたくないと思っても、必要な挨拶を唐浅は怠らなかった。

一方、文官の家系出身である薛若晔は、貴族間の礼儀作法などまったく気にかけていないようだった。むしろ急いで口を開き、唐浅の答えを切望しているようだった。「長寧侯はなぜ私を雲中衛から異動させたのですか!」

薛若晔は唐謙を崇拝していた。

あの美しくも...