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41話

「一方では、どんなに辛くても決して口にせず、自分のことだけを考えてくれる優しく心遣いのある美人。そしてもう一方では」景帝は溜息をついた。「最も愛しながらも、最も負い目を感じる墨無憂と墨無痕だ」特に墨無痕については、天子は自分の息子がいかに子供じみた態度で貴妃に敵対し、貴妃の弟をどのように虐げているかを当然知っていた。

ただ景帝は板挟みとなり、片目を開け片目を閉じ、すべてを知らぬふりをするしかなかった。そのため、この数年は自然と燕貴妃をより一層可愛がるようになっていた。

景帝の憂いに満ちた表情に気づき、美人は軽く微笑んだ。

唐浅は燕貴妃が優しく心地よい声で語るのを聞いた。「長寧侯は才色兼備...