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36話

大傩の後、各属国が朝貢を行う。海国の鮫人の涙は、一滴で一ヶ月も燃え続ける。西南の刺繍品は、最も鮮やかな色彩で大昭の領土図を描き出している。大漠の香りは、広がると鳥たちを舞わせる…

唐浅の席は墨無痕の後ろにあり、最高の視界を持ちながらも、他の臣下たちのように見物する気分にはなれなかった。

彼女は窓の外の雪を眺めていた。雪はますます激しく降っていた。

「羌国の抚罗部、格罗部、那罗部、大昭皇帝に宝物を献上いたします…」異国の使節は不慣れな大昭語で話していたが、唐浅の耳にはむしろ墨無痕の言葉がより鮮明に届いていた。

「退屈だな、そう思わないか」

「殿下?」唐浅は窓の外から視線を戻した。

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