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34話

雲霆も酒壺を置いて、耳を澄ませた。

「もう一度言ってみろ、この個室は予約済みだと?」唐浅はどこか聞き覚えのある、傲慢な声に思わず耳を疑った。「この少爺がこの部屋を使うと言ったら、中にいる奴らは出て行け!」

「林様、小人が別の個室をご用意しましょうか?こちらは確かに先客がおりまして、ご遠慮いただければ…」

「無駄口を叩くな!ここが醉生坊で一番の個室だということは誰もが知っている。中の者を出せ、この少爺に誰がそんなに『ご遠慮』しなければならないのか見せてもらおうじゃないか」

「これは…旦那様、小店を困らせるおつもりで?」

「誰の酒楼か分かっているのか?もうごちゃごちゃ言うと、お前の主人に言いつける...