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286話

「妖孽……この妖孽を生まれさせてはならぬ……」虚弥子は自ら立ち上がった。先ほどの激しく倒れた動きで道冠は地に落ち、今や銀髪を乱し、口では何かを呟き続け、まるで魔に取り憑かれたかのような様子だった。「あれは凶星、災いだ。大昭に不幸をもたらし、皇家を崩壊させる。必ず抹殺せねば、必ず抹殺せねば!」

唐浅は大げさに振る舞う道士を驚きの目で見つめ、心の中では雷が轟いていた。この人物が何をしようとしているのか理解できなかった。幸い、雲崢が彼女を守っていたため、向かい側の司天監の官員や物音を聞きつけてきた内侍や宮女たちには、彼女のこのような不適切な驚愕と軽蔑の表情は見えなかった。

一方、世子としての立場...