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253話

公文を詳しく読み、鼎南州府から派遣された官吏と会見し、商道の件について話し合いを済ませたころには、既に日が西に傾く時間帯になっていた。唐浅が扉を開くと血のような夕陽が目に入り、胸が沈んだ。もし墨無痕が二人の子供に付き添って先に遊びに連れ出していなければ、きっと颜儿は待ちくたびれて機嫌を損ねていただろう。

こういった状況は以前にも何度かあった。子供たちと過ごすと約束していたのに、急に様々な公務が入り、処理せざるを得なくなり、親衛隊に先に子供たちの相手をさせるしかなかった。政務を終えるときには、たいてい約束の時間を過ぎていた。墨欢はまだ良かった。基本的に気にせず自分で本を読んだり、親衛隊に付き添...