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223話

戦馬に乗った銀色の鎧を纏う主帅は、その体つきこそ細やかであったが、少しの弱さも感じさせなかった。背筋はピンと伸び、その姿勢には揺るぎない強さが宿っていた。

決闘で相手の喉を切り裂き、続いて大斉の残存騎兵を容赦なく制圧し、さらに大斉王子の部族を掌握する——雲中衛のその効率に、雲霄は背筋が凍るような恐怖を覚え、思わず「敵でなくて良かった」という僥倖の念すら抱いていた。

目の前で、堂々と相手を打ち破った長寧侯は馬上に座り、捕らえられた部族の老人や女子供を見つめていた。その表情はいつからか色を失い、感情を読み取れない無関心さを湛えていた。それが憐れみなのか無視なのか判別できないまま、ただ淡々と口を...