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216話

北境の荒野の上、雪原と黄砂が広がっていた。梧桐城の冬とは違い、ここでは木々の景色が依然と青々としており、降り積もる雪はまるで装飾のように、淡く垂れ下がっていた。

鎧はすでに冷たく硬くなり始めていた。これからさらに日が経てば、気温の急降下とともに凍りつき、一層堅固で不快なものとなるだろう。そんな甲冑を身にまとい、吹きつける冷たい風に向かって、唐浅は馬の背に乗り、遠くの荒野を黙って見つめていた。

雲此城の暴徒を鎮圧した後は、後顧の憂いもなくなり、彼女は計画通りに陣を進め北上を続けた。混乱に乗じて辺境を襲撃していた大斉の騎兵隊も何隊か討伐したが、いずれも小規模な部隊で、根本的な脅威とはならなかっ...