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203話

目が覚めた時、まだ全身が麻痺したような脱力感に包まれていた。だが、顔が触れているのは、ここ数日間の罠のように柔らかなベッドではなく、彼の肩だった。

唐浅はゆっくりと感覚を取り戻し、わずかに宙に浮いているような感覚を覚えた。目線を落とすと、そこには花々が咲き乱れていた。ブランコに座り、彼の肩に頭を預けている自分に気づく。この上なく親密な姿勢だった。

こんなにも近くに寄り添っているのに、心の隔たりは、もはや計り知れないほど遠くなっていた。

「微臣、この惑わす香りを嗅ぎすぎて、陛下にご挨拶する力もございません」

彼の身体の強張りを感じた。今にも山の洪水のように怒りが溢れ出しそうだったが、それ...