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19話

「下官はそのような不遜なことは」楚陳はいつもと変わらず無表情で、卑屈でも傲慢でもなく、ただ唐浅への一貫した敬意を示していた。

権力の駆け引きにほとんど関わったことがなくても、唐浅にはよく分かっていた。薛若晔は景和三十五年、北境がすでに平定され、妖獣の横行がほぼなくなったときに、世族の薛家が派遣してきた、功績にあやかり軍功を分け与えてもらうための人物だということを。

楚陳は、唐谦が薛若晔を利用して、戸部の重要な地位を握る薛家と交わり、軍需品などの供給をより容易に獲得しようとしていることを知っていた。しかし、なぜか、いつもなら冷静で克己心のある楚陳でさえ、唐谦があの薛家の公子に丁寧に接し、気を...