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178話

街路の両側の屋根の上に、黒装束の者たちが幽霊のように突如として現れた。彼らは宗教儀式でしか見られないような緩やかなローブを身にまとい、青白い仮面には不吉な血のような鮮やかな赤い模様が描かれていた。手に持った鋭い剑は躊躇うことなく、唐谚めがけて襲いかかってきた。

輿に道を塞がれ、この時この場所で、偶然なのか意図的なのか、このような混雑した場所では、唐谚は身動きすら取りづらい状況だった。一方、杜明易と云霄は品級が低いため、梧桐城の市街地で公務外に剣を携帯する権限がなく、今この時、唐谚を助けたいと思っても、あるいは巡防衛の統領に取り入る機会だとしても、力及ばずの状態だった。

三人が包囲されて身動...