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177話

曦和四年の初雪は、穏やかに訪れた。過ぎ去った秋の収穫は大昭の国庫と民の穀倉を満たし、各地から表が奉られ、大昭の治世を称える声が上がった。それゆえ、この瑞雪は豊年の印とされた。

大昭の重要な祝祭はほとんどが一月後に集中していたため、梧桐城の守備を担う巡防衛統領の驍騎将軍・唐谚はこの機に休暇を取り、基本的な防備業務以外は多くの将官たちに休みを与えた。他の武官長も同様だったが、唐谚の悠々自適とは違い、どこか意地の張り合いのような意味合いを含んでいた。

国境では大斉の騎兵が頻繁に侵入し、町を襲撃していた。正式な宣戦布告はなく、相手は軍旗を隠して山賊を装っていたが、襲撃の回数が増えるにつれ、大昭の国...