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168話

封一等侯爵位のために入宮した後、目の前の軍侯はもう宮中のことを一切口にしなくなった。あの時、唐浅が御書房を後にする際、侍従たちは皇帝の機嫌が格別に良いことを感じ取っていた。それは皇帝が即位してから滅多に見られなかった喜びで、その後に戸部の大臣たちが最も気難しい官員増員予算の件を報告しに来た時でさえ、皇帝は珍しく忍耐強く穏やかに最後まで耳を傾けたほどだった。

しかしその後、長寧侯はもう半月近く宮中に姿を見せていなかった。沈懐は皇帝が毎日愛する長寧侯の入宮を待ち望んでいることを知っていた。

「侯爵様、陛下のお人柄は侯爵様が一番ご存知でしょう。陛下がこのように侯爵様を遇するのは、他の者とは違う証...