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161話

「唐浅は碧痕がほとんど花が咲いたように笑っているのを見ることができず、墨無痕の額に触れた。熱は下がっていたものの、まだ病的な熱さが残っていた。

後ろめたさを感じないと言えば、嘘になる。

彼女は知っていた。彼の目の前で崖から飛び降りたことから始まり、その後の全ての行動が彼を苦しめ、罪悪感を抱かせ、後悔させるためのものだったと。彼にどれほどの傷を与えるか、そして墨無痕が彼女をどれほど愛しているかを知りながらも、そうしてしまった。

そして今、彼がただ病気で熱を出しただけで、こうして心乱れ、不安に駆られている。

結局、自分も深く落ちてしまったのだ。

墨無痕が目を覚ましたとき、まだ幻の夢の中に...