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151話

「唐澈を支えようとした唐浅は、ほとんど一緒に倒れそうになり、語嫣もすぐに一歩前に出て、二人を支えた。

「阿澈、何を言ってるの」唐浅は心を落ち着かせ、今は唐澈を刺激してはいけないと分かっていた。「語嫣は聞き間違えたのよ。私一人の女の子が、どうして北境なんかに行くわけ?」

自分をもっともよく知る双子の弟から、心虚な表情は逃れられなかった。「父上はお前を、私のふりをして、北境へ死に行かせようとしている!唐浅、もう嘘をつくのはやめてくれ」

唐浅は言葉に詰まった。二人は時々心が通じ合うことがあった。どうして唐澈を騙せると思ったのだろう?

「阿澈、聞いて……」

「聞きたくない」唐澈はめずらしく激...