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149話

唐浅は不思議に思ったが、言われた通りにするしかなかった。扇子を握ると、少年は確かに彼女を引き上げ、先ほどのように転ばせることはなかった。

心の中の疑問がさらに深まった。

しかし少年はそれに気づいていないようで、ただ心配そうに尋ねた。「足は、大丈夫か?」

唐浅は首を振った。「たぶん大したことないわ、すぐに良くなると思う」

彼女は唐湛のように大人しく屋敷にとどまるタイプではなかった。普段から外へ飛び出して遊び回っていたので、こうして時々足首を捻挫することもあった。

少し考えた後、彼女はやはり心の疑問を口にした。「どうして先ほど、はしごを離したの?」

少年の表情が曇った。「僕は…お前に、触れたくなか...