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11話

「唐浅もちょっと驚いた。今は唐家の長男という身分でありながら、こんな風に直接抱きつかれることなど今までなかった。雲中衛では、せいぜい酔った時に十三衛と肩を組むくらいだった。

彼女は誰かにこんな近距離で接触されることを許さないはずだった。

だが、その人が弟の名を呼び、蘇安公公が振り返って少し困ったように上官端華に礼をし、『上官少爺』と言ったのを見て、唐浅はようやく理解した。この人物こそ、上官家の長男、上官端華だと。

だから彼女は、この近づいてきた少年を、以前の不運な者たちのように容赦なく地面に叩きつけることはしなかった。

彼女の記憶では、唐澈が十歳の時、他の貴族の子息たちと同様に、大昭の律令に従...