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10話

「もし相府の女主人、長寧侯夫人になれるなら、この長年の苦しみなど、これから得られる栄誉の前では何でもなくなる」

家宴では男性たちが一つのテーブルを囲み、唐浅もそこに座って武威侯や従兄弟たちと酒を酌み交わしていた。唐老相爺は食事を終えると休息のため部屋に戻り、女性たちのテーブルも少し酒を飲んだ後、そろそろ散会しようとしていた。

唐浅は北境で酒に慣れていた。あの地は余りにも寒く、時には酒で体を温めなければ、一面の白銀に包まれる長い夜を乗り越えられないこともあった。ただ北境の酒は梧桐城のものよりずっと強く、粗い味わいだった。だから唐浅はそう簡単には酔わなかった。

夜半過ぎまで宴が続き、唐浅が立...