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91話

「離魂は勢いよく迫り、薛槐は花葬骨を抱きしめながら、その魂がすでに崩れ始めていることを明らかに感じていた。掌中の生魂はどうあっても人前に出すことはできない。薛槐は花葬骨の名を一度だけ呼んだきり、沈黙した。何度も呼びかければ花葬骨の魂を驚かせてしまうかもしれない。この子はいつだって臆病な子だったのだから。

「先に彼を連れ帰りましょう。ここにいても仕方ありません」

「いや、今は動かさないほうがいい。絶対に動かしてはならん!」

魂は雪のように散りやすい。今花葬骨を動かせば、魂はより早く消散してしまう恐れがある。薛槐は板挟みになり、表情は重く沈んでいた。権瑟は傍らで焦りのあまり足踏みをしながらも...