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83話

花葬骨は半分眠りながら、焼き魚の香ばしい匂いを嗅ぎ、唇に何かが触れると無意識に口を開けた。一切れの魚の身が口の中に入れられ、そうして半分眠りながら一匹の魚を食べ終わった。顧宵は頭に黒い線を浮かべながら手の中の綺麗になった魚の骨を見て、苦笑いしながら立ち去ろうとした。そのとき、花葬骨が岩壁に体を擦りつけ、マントがずり落ちるのを見た。火の光に照らされたその顔に、顧宵はあまりの衝撃に言葉を失った。

「あの夜、君は立ち去らなかった。すべて見たはずだね」

花葬骨は目を開いた。もはや眠そうな様子はどこにもなかった。薬を取りに行くことは彼一人でも可能だったのに、あえて顧宵を連れてきた。なぜそうしたのか自...