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63話

薛槐は名もない山林に降り立ち、歩き始めてすぐに単独行動中の花葬影と遭遇した。警戒心が高まる。この神尊からは傲慢さが感じられた。薛槐は神尊になるまであと一歩、心魔の試練を乗り越えられずにいる。修為がどれほど高くとも上神止まりで、両者の間には越えがたい深淵がある。少しでも油断すれば粉々に砕け散るだろう。

「十七を見なかったか?」

花葬影は少し寂しげに見えた。問いかけるような言葉だったが、返答を待つ様子もなく、足元の切断された手足や血溜まりを踏みながら一方向へ歩き出した。薛槐は眉をひそめた。これらの者たちはあまりにも惨たらしい死に方をしている。花十七の描写によれば、花葬影は殺戮を好む性質ではなか...