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41話

月の夜は長くは続かないものだが、今宵はどこか長く感じられた。

少年は名も知らぬ調べを口ずさみながら、第一閣から第三十二閣へと歩いていた。九幽閣を巡回する弟子たちは、彼の衣の端さえ見ることができず、それゆえこの道中は穏やかなものとなった。目の前に広がる草花を見て、少年は眉をひそめる。濃密な生命の気配が漂っているが、残念なことに、彼はそれを好まなかった。

月明かりの下、美しい弧を描いて花の葉が宙へ舞い上がる。冷たい月の光と鎌の鋭い刃が互いに輝きあう様を、花知君は窓辺に伏せて細めた目で眺めていた。花十七の養育の甲斐あって、今や花知君は七歳ほどの子供の姿に成長していた。

「誰だ、そこにいるのは!...