神尊を拾って育てる

31話

「無礼者！ここがどこだか分かっているのか、よくも余計な口出しができたものだ！」

青年は怒り心頭だったが、愚鈍な人間ではなかった。花非卿がこれほど堂々と恐れる様子もなく振る舞うからには、並の人物ではないはずだ。どうやら自分の読みが甘かったようだ。薛槐が連れてきたのは小役人程度だと思っていたが、まだ良かった。事態は取り返しのつかないところまでは行っていない。

「九幽花氏の花非卿だ。薛家主、随分と威勢がいいな。弟君に向かって殺せだの斬れだの。もし私が少し遅れていたら、薛家主は私もここで斬り殺し、口封じするつもりだったのか？」

花非卿は自分の弟のぼんやりした様子に心を奪われながらも、一転して詰め...