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150話

「かつて千城阙あり、夜ごと明かりの灯り消えず、千年の間絶えることなく、城の民は世と隔て、一人を主と崇め、その名を知らず、故に城主と呼びけり……

やがて知れず何時の日か、千城阙は一夜にして寂滅し、諸神は湮滅し、魂は此処に安らぎ、遺骨は宮殿と化し、昔日の繁栄は見えず、姿を消した後、九泽の南に、一柱の神尊が天より降り、地を封じて陵と為し、漠陵と名付け、その名を危城となせり!」

「阿瑶ッ!!」

一声の悲痛な叫びが、天地開闢の時の轟音のごとく、花葬骨を混沌から目覚めさせた。彼が顔を上げると、血の色が降り注ぐのが見え、天地が回転する中、一枚の白い衣が視界を遮り、降りかかる鮮血が彼の瞳に入るのを防いだ...