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108話

「はぁ、今年は本当に息が詰まる年だったな。瑶華映闕が弟子の受けた仕打ちを気にかけてるからって、なぜ我々が巻き込まれなきゃならんのだ。まったく災難だよ」

「ほんとそれ。聞いたところによると、戻ってきた時には全身血まみれで、生きて帰れるかどうかもわからなかったそうだ」

「みんな声を潜めろよ。北陽山がこうして我々を庇護してくれているだけでもありがたい話だ。口から禍を招くようなことはするな。瑶華映闕が誅殺令を出さなかっただけでもましだぞ。ただ、この平穏がいつまで続くか心配だがな」

「他人を持ち上げて自分を貶めるな。瑶華映闕がどれほど強くても、天闕閣は焼かれたじゃないか。たかが七重楼如きに何ができ...