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10話

「シトシトと降る雨が衣の裾を濡らしていた。瑶華映闕は洞窟の入り口に立ち、彼の背後には小さな焚き火が燃えて、隅に座る青龍と花十七を照らしていた。花十七は石榴を火の傍に置き、青龍を抱きながら柔らかな布団の上で石榴をぼんやりと見つめていた。その布団は瑶華映闕が乾坤借から取り出して敷いてやったものだ。先ほどの眠気は最初の雷鳴とともにどこかへ消え去っていた。青龍は暖炉代わりとなって花十七の冷えた体を温め、時折龍の目で瑶華映闕を盗み見ていた。この男は三百年前と比べてずいぶん変わったものだ。自分の気配が青龍のものと混ざっていても、彼はやはり違和感に気づいていた。ならば、かつては鋭敏で聡明だったのに今は全てを...