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616話

十キロほど揺られた頃、安二狗が秀児を絶頂の連続で魂が抜けるほどにしていたとき、山道の先に一人の出家人が歩いているのを見つけた。小さな包みを背負い、足に布の靴と包帯を巻いていて、その姿がどこか見覚えがあった。

すぐには思い出せなかったが、バイクがその人の前まで来て、反射的に振り返ったとき、ようやく思い出した。なんと、自分が抱いたことのある尼僧の静心だった。「静心さん、君だったのか」安二狗はバイクを止めて声をかけた。

確かに静心だった。彼女は美しい瞳を上げ、驚きと喜びの色を見せた。「まあ、施主様ではありませんか」静心は昼も夜も思い続けていた男性、安二狗を見て喜びを隠せなかった。しかし、彼が二人...