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594話

窓も閉め切っていたので、部屋の中には淫靡な匂いが濃厚に漂っていた。ナナはどんな女だろう!アン・クイとあれほど頻繁にしている女だから、その奥義をよく知っているはずだ。

ナナは急に興奮を覚えた。まるで新大陸を発見したかのように、玉蘭のような貞淑な烈婦が裏で他人の男を盗んでいるなんて。さっきドアを開けるのに時間がかかったのは、きっと情夫を逃がすためだったのだろう?

玉蘭はナナが疑い始めたことに気づき、引き返して居間だけで話そうとした。

しかし、ナナは勝手に寝室に入ってしまい、玉蘭も仕方なく後に続いた。

「玉蘭、どこの男なの?」ナナは玉蘭を審査するように見つめ、意地悪く笑いながら尋ねた。

玉...