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590話

「兮兮、こんな風についてくるなんて、俊博が気を悪くするよ。気づかなかった?」人混みから離れて安二狗が言った。

「二狗お兄ちゃん、もうどうでもいいの。あなたと一緒にいられないとわたし、気が狂いそう。今すぐあなたが欲しいの!」

「無理だよ、チャンスなんてないじゃないか!」安二狗も彼女に会いたいと思っていたが、確かに二人きりになる機会など見つからなかった。特に今夜は、今夜こそ玉蘭の家に行くつもりだった。もう死にそうなほど彼女を求めていた。

「わたし、玉蘭お姉さんの家に行くわ。あなたが玉蘭お姉さんとヤるために行くんでしょう?知らないとでも思ってるの?」趙兮は拒否を許さない口調で言った。

「今は...