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355話

「私もおかしいと思ってたの。うちの旦那のことはわかってるから。あの人、小心者だし、絶対にすぐ戻ってきて覗きに来るわ」

安二狗の心はうきうきした。まさに思惑通りだ。彼はすぐに立ち上がり、ドアの前まで歩いていくと、開けて、ちょうどそこに立っていた安魁に向かって意地悪く笑いかけた。

「安魁兄貴、奥さんがドアに鍵をかけるよう言ってたんだ。もし心配なら、俺は帰ってもいいけど。大丈夫なら外で少し時間つぶしてきなよ。だいたい二時間もあれば終わるから、その時間に合わせて戻ってくれば、もう処置は終わってるし、奥さんも大丈夫になってるよ」

「はは、別に心配なんてしてないさ。あんたは医者だしね!わかったよ、今...