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2243話

彼が安二狗が数ヶ月も探し求めていた華夏の男だと気づいていたとしても、その男がどれほど凄いのか、彼らは実際に目にしたことがなかった。警察や軍からは神がかり的な存在として伝え聞くばかりだった。

ただ一つ明らかだったのは、この華夏の男が反政府武装組織全体を掌握していたことだ。突然銃を頭に向けてきたこの地味な風貌の木彪は、おそらくこの華夏の男の腹心だろう。その側近でさえあれほど素早く銃を抜くのだから、この華夏の男が本当に只者ではないことは間違いなかった。

安二狗は冷ややかに彼を見据えていた。見たところ、彼もムエタイの使い手のようだ。その構えからも明らかだった。

「中佐殿、さあ、かかってきなさい」...