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2038話

彼はモンナを疑ったことなど一度もなかった。自分以外に彼女に手を出す者などいないと思っていた。基地の誰もが彼の一番のお気に入りがモンナだと知っているのだから、彼の女に手を出すなど自殺行為だ。だが、この部屋には明らかに何かがあったのだ!山の洞窟を改造した部屋で換気がよく、匂いは散りやすいとはいえ。

アン・アーゴウが出て行ったばかりだ。その匂いはまだ部屋に残っていた。モンナはアバネフが彼女を疑っていることを知り、胸がドキドキしていたが、何事もないかのようなふりをして、勝手にベッドに上がり、彼を待った。

アバネフは彼女など気にも留めず、あたりを探り回り、証拠を探していた。しゃがみ込んでベッドの下まで...