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1953話

「しかし、あいつはたった一時間外出しただけで戻ってきて、さらに安二狗を始末する人間まで連れてくるなんて、このやろう、安二狗をバカだと思ってるんじゃないのか?こんな明らかな穴も考慮できないなんて」安二狗は呆然とするモーテイを横目で見ながら笑った。

この分析に桑妮は感服して頭が下がるばかりだった。筋道立てて説明するその様子は、安二狗が非常に細心な人間であることを示していた。普段はふざけていて、女を抱くことばかり考えているように見えて、メルセフの基地で他のことをしている姿はなかったが、道中で彼がメルセフ基地の警備システムの問題点について話すのを聞いていると、彼の抜け目なさと緻密さに感心せずにはいら...