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1889話

「そう言って、安二狗は腰からナイフを抜いた。

イワンカは驚きと疑いの目で安二狗を見つめた。彼は手品のように、そのナイフをメスのように扱い、狼の死骸に数カ所切り込みを入れると、すぐさま狼の皮を剥ぎ始めた。血まみれの様子は見ているだけで背筋が凍るようだった。

数分もしないうちに一匹の狼の皮を丸ごと剥ぎ取り終え、イワンカは信じられない思いで呆然としていた。この男はあまりにも不思議な存在だ。何でもできるように見え、こんな専門的な作業さえも手慣れた様子でこなしてしまう。

作業を終えると、四本の足を切り取り、血の滴る狼の皮に包み、蔓で縛り上げて持ち上げて歩き出した。

イワンカはすぐ後ろに続きながら...