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156話

香草の結婚は、安民と楊家寨の会計係である楊凱の二人が仲介したものだった。香草は楊凱の叔母の娘で、彼の妻・香玲の一番下の妹だった。安民と楊凱が町へ会議に出かけた時、香草が姉と一緒に市場に来ているのに出くわした。安民は香草の美しさと聡明さに目を留め、甥の安岩との縁談を持ちかけたのだ。

安岩はまあまあの容姿で、口も上手かった。二人は数回会い、両家で酒席を設けたことで結婚が成立した。

当時、香草は十八歳、安岩は二十歳だった。あれから七、八年が経ったが、彼らの暮らしは幸せとは言えなかった。香草は自分の夫が精神的に成長できない人間だと気づいていた。恋愛中の姿は表面的なもので、実際には猜疑心が強く、自己...