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1138話

安二狗はスマホを取り出して確認すると、部屋番号などを頭に入れた。そして小区の正門からは入らず、門番にあれこれ質問されるのを避けるため、塀の外側から一気に飛び越えて敷地内に入った。

時刻はすでに午前1時半、小区内は静寂に包まれ、住民たちはみな眠りについていた。

安二狗は部屋番号を頼りに香媚の住むマンションを見つけ出した。香媚の家は最上階にある。安二狗は静かに階段を上り、最上階に着くと二つの部屋があった。ドアの番号を確認し、左側が香媚の家だと特定した。

ドアを軽く押してみたが、開かない。中から鍵がかけられているようだ。これに安二狗は少し落ち込んだ。「ドアを開けておくって約束したんじゃなかった...