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108話

突然、安思晴が前方百メートルほど離れた山道の脇を指差した。確かにバイクが一台停まっていたが、周囲には誰もいないようだった。

安二狗がそのバイクに乗って行こうかと考えていたその時、背後の林から女性の嬌声が聞こえてきた。二人とも耳にして、目が合うと、互いに口元を引き締めながら意味ありげに微笑んだ。

二人とも森の中で何が起きているのか分かっていた。安二狗はたちまち自分の下半身がムズムズしてくるのを感じ、色っぽい視線が思わず安思晴のスカートから覗く雪のように白い太ももに向けられた。「晴ちゃん、午後は手術だけど、町に行く前にもう一回しないか?」安二狗は美少女に誘いをかけた。

安思晴は林から聞こえる女性の...