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456話

「なんでお前に会ったことないんだ?」

「私もあなたに会ったことないわよ」蘇陽は目を細めて言った。

「確かにそうだな」金髪の男は頷きながら、思案げに言った。「じゃあ、お前もアレを見に来たんだな?」

アレって何だよ!

蘇陽はそう突っ込みたかったが、実際にはそんなことは言えなかった。そんなことを言えば、組織の人間ではないことがバレてしまう。

「もちろんさ」蘇陽は断固とした口調で言った。「こんな夜更けに出てくるのが、覗きのためだとでも?」

「へえ、お前、結構ワルだな。これが覗きでなくて何だってんだ」金髪の男は笑いながら言った。「ついてこい、近道を教えてやる」

金髪の男はそう言いながら、木から飛び降りて...