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416話

「まずは傷を手当てしないと、出血多量で倒れるぞ」009は走りながらも蘇陽に向かって叫んだ。

しかし蘇陽は頑固に首を振った。「必要ない。この程度の痛みなら耐えられる。今は左沫が指し示した方向へ急ぐことが先決だ」

蘇陽は走りながら言ったが、その唇はすでに乾き、蒼白になっていた。両眼は前方を見据えたまま、明らかに激しい痛みに耐えていた。

もちろん、彼が言った通り、幼い頃から経験してきた苦痛に比べれば、この程度の痛みは彼にとって完全に耐えられるものだった。

四人はこうして小走りで進み続けた。驚いたことに、後ろの追手を振り切る兆しが見え始めていた。

だが、そう長くは続かなかった。敵も馬鹿ではな...