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396話

「まさか、あいつがこんなに腰抜けだとは思わなかったな。本当に勲章持ちなのか?」苏阳が去っていくのを見て、009は納得がいかない様子だった。

黄沙は009をちらりと見て、ゆっくりと口を開いた。「必ずしもそうとは限らないぞ。お前は彼を見くびっている。本気を出したら、ヘッ——」

黄沙は意味深に言いながら、苏阳が頭狼の頭を何度も地面に叩きつけていた場面を思い出していた。

「あの痩せた小さな体に見えても」と黄沙は言った。「奴の中には獅子が潜んでいるんだ」

009は思わず固まった。黄沙は続けて言った。「奴の胆力は間違いなく超一流だ。腕前はやや劣るかもしれないが、決して侮るなよ。今の姿だけで判断するな。...