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35話

「どうぞお入りください」女将さんは二人を招き入れながら、感謝の気持ちを言葉にできないほど表していた。

王林が尚秋萱に挨拶すると、彼女はただ微笑み返しただけで、何も言わずに家の中へ入っていった。

「お前、何をニヤニヤしてるんだ?」蘇陽は茶化すように言った。

王林の顔から笑みが消えることはなかった。「見なかったんですか、蘇先生?さっき秋萱が僕に笑ってくれたんですよ」

蘇陽は少し軽蔑したような目で王林を見た。

「なるほど、片思いか。大学生のくせに高校生に手を出して、しかもまだ落とせてないとは」

同じ男なのに、こんなにも差があるものなのか。

「蘇先生、今バカにしましたよね!」王林は敏感に蘇...