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23話

安悠然が尋ねる前に、蘇陽はドアを開けて飛び出していった。

安悠然のアシスタントは、蘇陽が挨拶もなしに去っていくのを見て、嘲るように笑った。

蘇陽は寮に駆け戻り、ベッドの下から針箱を取り出すとそのまま飛び出した。

燕京、賑やかな街中に隠れるように建つ小さな屋敷。

部屋の中では老人と若者が興味深そうにテレビ中継を見ていた。画面では鄭不凡が緊張した面持ちで鍼を打っている。

「秋泠、どう思う?」

「この医者は確かに中医学を数年学んでいて、ツボの位置も正確に把握していますが、鍼の手法はまだまだですね。絮針の風があるものの、形だけ似ているに過ぎません」

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