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22話

兄貴の手から刃が突き出てきた。

この過程は語れば緩慢に聞こえるが、実際には迅速極まりなく、動けずにいる側の不良たちが見ていても思わず声を上げて褒め称えるほどだった。

兄貴は流石に兄貴、彼らの頭上に君臨しているのは決して力がないわけではない。

蘇陽の反応がほんの少し遅れていたら、この一刀で彼の体に傷が残っていただろう。

幸い蘇陽の反応は十分速く、刃が迫ってくるその瞬間、彼は膝を曲げて兄貴の右手首に向かって突き当てた。

二人は一触即離。

兄貴はニヤリと笑った。「何回避けられるかな?」

彼は気づいた。目の前の若者は自分より力が劣っていると。

蘇陽は膝をさすった。膝で相手の手首を打ったというのに、痛ん...