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178話

「陽気が最も盛んになる時間はいつですか?」蘇陽は新村秀則と議論せず、脈を取りながら質問を返した。

「正午から午後二時頃です」新村秀則が答えた。

「陰気が最も盛んになる時間は?」蘇陽は続けて尋ねたが、今度は新村秀則ではなく、上杉稚妙の目をじっと見つめていた。

「明け方の—」

「太陽が沈む時です」新村秀則が言い終わる前に、上杉稚妙が恐る恐る答えた。

蘇陽は微笑みながら頷いた。一方、新村秀則はその場に立ち尽くしていた。

太陽が沈む時は陰気がようやく生じ始めるだけで、どうして陰気が最も盛んな時間となるのだろうか?

しばらく考えた後、彼は何かを悟ったように目を見開いた。陰と陽はそもそも対比的な概念であり...