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177話

「その通りだ」大家長は蘇陽を鋭く見つめ、彼の表情から何か異変を読み取ろうとしていた。

「患者がどのようにしてこの病にかかったか、ご存知ですか?」蘇陽は大家長を見据えた。

大家長は黙って首を横に振った。

蘇陽は深くため息をつき、全身から力が抜けていくような感覚に襲われた。

中医だけが見抜ける、漢方医学の存亡にかかわる——この二点だけでも、蘇陽があの組織を連想するには十分だった。言京の三肢を切断したあの謎に満ちた組織を。

「どうしてそれを知っている?」大家長の眼光は鋭く、蘇陽を殺してしまいそうな眼差しだった。

「どうやらその患者はあなたにとって本当に重要な人なんですね」蘇陽は力なく言った。

彼は深...